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村田らむ『禁断の現場に行って来た!!』鹿砦社 [本の感想系]

村田らむ
『禁断の現場に行ってきた!! 命がけ潜入体験ルポ』
鹿砦社 2015年12月25日 925円+税

村田らむ.jpg

 著者が今までめぐってきた「現場」ルポの総まとめ的な一冊。表紙の絵も本文中の写真も挿絵もマンガも文章も(装丁と著者の写真以外は)すべて著者がこなしていると思われる文字通りの村田らむ超スペシャル。(ただし、ちょっとグロ注意。でも写真は大丈夫、処理してあります。)

 著者は『やや日刊カルト新聞』の記者もこなすフリーのイラストレータ・文筆家。絵もマンガも文章も読みやすくわかりやすく面白い。

 本書の構成はイカのようになっている。

はじめに

《第一章》立入厳禁!タブー地帯に大潜入!!
 自殺の名所 富士の樹海に死体を探しに行ってみた!!
 近くて遠い国 独裁国家・北朝鮮のリアル
 自殺の名所、スラム… 韓国バチ当たりツアー
 軍艦島と巨大廃墟めぐり
 死臭漂う“事故物件”の現場

《第二章》命懸け!体当たりガチンコ取材!!
 深さ100m級の穴が死を招く 落盤注意の地下遺構に潜入!!
 バラバラ殺人の現場、保険証なしでもOK 噂のヤバい病院に行ってみた!!
 怪しい面接ルポ 41歳の(裏)ハローワーク
 あなたの夕飯を食べさせてくれ! 実録・隣の晩御飯
 元手0円!“ジャンクビジネス”でいくら稼げるか!?
 汚部屋清掃日記
 ホームレスのメッカ・上野で物乞いしてみました
 5日間“断食ダイエット”で痩せる!!
 ゲテモノを喰らう!!
 東京から名古屋までヒッチハイクに挑戦!!

《第三章》アヤしい新興宗教に突撃!!
 輸血禁止、鞭打ちで有名なアノ団体 エホバの証人に大潜入
 洗脳されかけた!! 樹海の中心で人類滅亡を祈る老夫婦
 廃寺に棲みつく韓国人和尚の正体
 謎の団体メンヘル友の会の実態
 サイエントロジーでトラウマは解消できるのか!?

《第四章》ヤバすぎる裏社会の闇を覗き見!!
 多摩川で“闇畑”を大発見
 東西ドヤ街紀行
 ホームレス&パンク&ヤクザになって街を歩いたらどーなる!?
 裏モノライター惨殺事件の真相

あとがき

 まるで疾風怒濤である。世界をこんなふうに駆け抜けなくてもいいではないか。書き方/描き方があまりに「のほほん」としているのでうっかり読み飛ばしてしまいそうになるが他では絶対に読むことも知ることも出来ないような大変に重要なリポートが満載である。書/描き切れなかった小エピソードが「禁断のこぼれルポ」として断続的に掲載されているのも多角的である。そして各節の末尾にはきちんと「まとめ」or「オチ」が用意されている。心配りが細やかである。

 本のタイトルや章題などからは「行け行けドンドンどこまでも!」という勢いだけで駆け抜けてしまった感が漂うが、本当はそんなことはなくて、実にゆっくりと対象者の話に耳を傾け、じっくりと「現場」を味わっている。

 すごい。

 面白い人がいても、その人が何をどう考えているのかを知るには、その人に聞いて、その人が話してくれるまで待つしかない。あたりまえのことだけど、これはわたしには非常に難しい。だけど著者は実に自然体にそれを行っている。人だけではなく場所、「現場」の「声」というか、……「現場を聞く」?……ためには、本当に、現場に聞くしかないのだと思う。時間をかけて、ゆったりそれが出来ているように思う。疾風怒濤なのに非常に濃いリポートになっている。

 後半には、自分が「現場」そのものになって、どう感じ・どう思い・どう考えたのか? というルポもある。最後の最後には、とある事件の真相に、ちょっと普通ではあり得ない角度から、報道記者の側面も垣間見せつつ迫っている。

 すごいものを読ませていただいた。ありがとう。

禁断の現場に行ってきた! !

禁断の現場に行ってきた! !

  • 作者: 村田 らむ
  • 出版社/メーカー: 鹿砦社
  • 発売日: 2015/12/15
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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